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5年目の特定技能、外国人材の定着を全力支援

基礎的な日本語力や就労する産業分野について一定の知識がある外国人材を受け入れる特定技能制度がスタートしてから、2024年4月で5年になります。

深刻な人手不足が続く介護や製造業などの分野で、急速に外国人人材の受け入れが進んでいます。

一方、この5年間を通じて見えてきたのは、採用した特定技能人材の定着をめぐる課題です。

「特定技能で働いているが職場を変わりたい」

「外国人を受け入れたが、うまく機能しない」

わたしたち浅草国際法務にも、外国人のみなさまや事業者さまから、さまざまな悩みの声が寄せられます。

「せっかく日本に来たからには、できるだけ長く、楽しく働き続けたい」。こうした願いは、外国人だけでなく、受け入れ先の事業者、私たち実務家の共通する願いであると考えます。

浅草国際法務は、共通の願いを形にするため、外国人と事業者に対する支援を全力で提供してまいります。

続く人手不足

株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」によると、国内企業の約半数以上が人手不足を課題として挙げています。

このような状況を改善すべく、一定の専門性や技能を有する外国人労働者を人手不足が深刻な産業分野に受け入れることを目的として、2019年に特定技能制度が導入されました。

制度導入以降、特定技能在留外国人数は年々増加しています。

出入国在留管理庁によれば、2023年6月末現在、特定技能の在留資格で日本に在留している外国人の数は、17万3,089人にのぼっています。下表に、分野別の在留者数を示します。

表:2023年6月末現在の特定技能人材の在留者数
分野 人数
総数 173,089
介護 21,915
ビルクリーニング 2,728
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 35,641
建設 18,429
造船・舶用工業 6,377
自動車整備 2,210
航空分野 342
宿泊分野 293
農業分野 20,882 
漁業分野 2,148
飲食料品製造業 53,282
外食業 8,842

出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年6月末現在)」を基に、浅草国際法務作成。

 

特定技能人材の雇用によって、人手不足の解消を実現しつつある分野としては、 「飲食料品製造業」「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」が挙げられます。

国籍・地域別に見ると、ベトナム国籍が最多で、全体の約6割を占めています。

(参考:法務省「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」)

あらためて、特定技能とは

在留資格「特定技能」は、人手不足とされる12の分野で外国人が就労が可能な在留資格のことです。2019年に導入された制度で、技能実習生制度の改正として生まれました。

特定技能の在留資格には、「特定技能1号」と「特定技能2号」 があります。

1号を取得し、在留期間を終えた外国人が希望する場合、2号取得のプロセスへと進むことも可能です。ただ、各分野の仕事において、リーダー的な存在となるため、資格試験の合格など、厳しい条件が課せられます。

特定技能1号

  • 最長5年間の在留が認められる
  • 配偶者や子の帯同不可

特定技能2号

  • 特定技能1号修了者のための次のステップ
  • 更新許可申請が許可され続けた場合、通算在留期間上限なし
  • 要件を満たせば、配偶者や子の帯同も可能
  • 取得後10年以上の場合、永住権申請も可能

 

特定技能人材に求められる必須の要件

就労を目指す分野を問わず、特定技能人材に求められるのは、日本語の能力と、就労する産業分野の知識です。

日本語試験

特定技能を目指す外国人が受験することとなる日本語の試験には、「日本語能力試験(JLPT)」と「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」の2種類があります。JLPTの場合はN4レベル以上、日本語基礎テストはA2レベル以上の試験に合格することが求められます。

技能試験

外国人労働者が特定の職種で必要な技能・知識を持っているかどうかを評価する試験です。通常、実地試験や筆記試験の形式で行われ、職種によって内容が異なります。

 

特定技能の産業分野とは

特定技能の在留資格は、特定の産業分野に対応した職種に限定されています。特定技能1号では、以下12分野で外国人の受け入れが可能です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング業
  3. 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野(2022年4月に統合)
  4. 建設業
  5. 造船・舶用工業
  6. 自動車整備業
  7. 航空業
  8. 宿泊業
  9. 農業
  10. 漁業
  11. 飲食料品製造業
  12. 外食業

たとえば、「建設業」の在留資格を持つ外国人は、建設現場で働くことができますが、「外食業」のレストランでは働けません。それぞれの分野で許可された業務が明確に定められているのです。

ただ、特定技能では、同じ分野内であれば転職はできることになっています。

特定技能2号は介護が対象外となっていますが、介護分野については別に、「介護」という在留資格があり、介護分野の特定技能1号の上位資格に位置づけることができます。

さらに、特定技能制度はさらに広がる見通しです。

2024年1月29日付の時事通信は、政府は、現在12分野の特定技能について、自動車運送、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加する方向で検討を進めていると報じています。

定着をめぐる課題

特定技能に限らず、外国人の在留や雇用の定着にはさまざまな課題がありますが、なかでも日本語は事業者・外国人の両者にとって大きな壁となっています。

先述のとおり、特定技能1号取得のためには、日本語能力試験N4(基本的な日本語を理解できる)レベル以上の合格が必須です。

ただ、特定技能の要件を満たすための試験に合格したとしても、来日前に日本語でのコミュニケーションの機会は限られるため、実際に来日し、現場に配属されてから、職場での日本語によるコミュニケーションの困難さに直面するケースは少なくありません。

特に、介護や飲食など顧客・利用者との高度なコミュニケーションが求められる分野では、実際には、来日時に合格した試験以上の日本語力が求められているのが、職場における現実です。

令和4年度在留外国人に対する基礎調査報告書』では、外国人の日本語力について調査を実施し、211人の特定技能人材が次のように回答しています。

表:特定技能外国人の日本語力
どんな内容であっても相手や状況に合わせて適切に会話を進めることができる 9.0%
流暢に自然に会話をすることができる 6.2%
日常生活で必要な会話ができる 46.9%
身近で基本的な情報交換ができる 15.6%
よく使われるあいさつや日常的な言い回しを使うことができる 19.9%
全くできない 2.4%

出典:法務省「令和4年度 在留外国人に対する基礎調査報告書」を基に浅草国際法務作成

この調査は、特定技能外国人の日本語についての自信を尋ねたものと理解できます。

全体の半数近い46.9%が「日常生活で必要な会話ができる」と回答していますが、介護施設やレストランでは、日常会話以上のレベルが求められる場面もあるようです。

外国人が気軽に日本語を学べる環境が整備されていないという課題も挙げられています。

この調査報告書によると、「都合のよい時間帯に利用できる日本語教室・語学学校などがない」「無料の日本語教室が近くにない」という回答が多く見られます。

特に、日本語教室・語学学校などを利用・受講したいと思う時間帯についての回答では、「土・日・祝日の夜間(18:00~21:00)」が約38%、「土・ 日・祝日の昼間(9:00~18:00)」が約30%となっており、就労時間外での語学学習時間の確保が困難な状況も示唆されています。

浅草国際法務にできること

わたしたち行政書士事務所浅草国際法務では、外国人のみなさまの在留に関する申請や届出にとどまらず、特定技能人材として来日した方々の長期の就労を実現するため、さまざまな支援を提供しています。

そのために、事業者さまが抱える課題や、就労中に生じる様々な課題に対し、丁寧に対応し、必要な解決策を、事業者さまとともに作り上げて参ります。

ぜひ、当事務所にお気軽にご相談ください。

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